Japanese
English
今月の主題 認知症と臨床検査
話題
アルツハイマー型認知症と脂質代謝
Dementia of Alzheimer type and lipid metabolism
三井田 孝
1
,
平山 哲
1
Takashi MIIDA
1
,
Satoshi HIRAYAMA
1
1順天堂大学医学部臨床検査医学講座
キーワード:
コレステロール
,
アミロイドβ
,
スタチン
Keyword:
コレステロール
,
アミロイドβ
,
スタチン
pp.70-74
発行日 2012年1月15日
Published Date 2012/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102893
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1.はじめに
人口の高齢化とライフスタイルの欧米化に伴い,認知症が猛烈な勢いで増加している1,2).認知症を発症すると,患者本人のquality of lifeが悪化するだけでなく,介護をする人の生活にまで影響を与える.そのため,認知症の有病率の増加は,大きな社会問題となっている.従来,わが国では血管性認知症が多く,アルツハイマー型認知症が全認知症に占める割合は低かった.しかし,現在では,都市部だけでなく農村部においても,アルツハイマー型認知症が認知症の基礎疾患として最も多い.
アルツハイマー型認知症の原因や発症メカニズムは,現在でもまだ完全に解明されておらず,根治療法はない.疫学調査や培養細胞を用いた実験的検討から,脂質代謝がアルツハイマー型認知症の発症や進展に直接的または関節的に関与している可能性が指摘されてきた.
そこで,本稿では,アルツハイマー型認知症と脂質代謝について,これまでの知見と筆者らの検討成績についてまとめてみたい.
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