Japanese
English
特集 NMDA受容体と精神疾患
統合失調症の病態におけるNMDA受容体の役割と新規治療薬の展望
Role of NMDA receptors in the pathology of schizophrenia and prospects for new therapeutic approaches
肥田 裕丈
1
,
野田 幸裕
1
Hirotake HIDA
1
,
Yukihiro NODA
1
1名城大学薬学部病態解析学Ⅰ,名古屋大学医学部附属病院薬剤部
キーワード:
NMDA受容体拮抗薬
,
遺伝的・環境的要因
,
D-セリン
,
代謝型グルタミン酸受容体
Keyword:
NMDA受容体拮抗薬
,
遺伝的・環境的要因
,
D-セリン
,
代謝型グルタミン酸受容体
pp.970-975
発行日 2021年6月12日
Published Date 2021/6/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27711970
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
フェンシクリジンをはじめとするN-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体拮抗薬の乱用者は,統合失調症と類似した精神症状を惹起することから,統合失調症の病態にはグルタミン酸作動性神経の機能低下が関係しているという “グルタミン酸伝達低下仮説” が提唱されている.NMDA受容体拮抗作用によって脳内ドパミンの神経伝達が亢進するため,この仮説は従来のドパミン伝達過剰仮説とも矛盾しない.本稿では,統合失調症の病態におけるNMDA受容体の役割,および既存の抗精神病薬に反応性の乏しい症状にも改善作用を期待したグルタミン酸伝達系を標的とする新たな治療薬の開発について紹介する.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.