Japanese
English
特集 NMDA受容体と精神疾患
精神疾患の病因における抗NMDA受容体抗体
Autoimmune psychosis by anti-NMDA receptor antibody
髙木 学
1
,
酒本 真次
1
,
岡久 祐子
1
,
山田 了士
2
Manabu TAKAKI
1
,
Shinji SAKAMOTO
1
,
Yuko OKAHISA
1
,
Norihito YAMADA
2
1岡山大学病院精神科神経科
2同大学院医歯薬学総合研究科精神神経病態学
キーワード:
抗NMDA受容体抗体脳炎
,
自己免疫性精神病
,
統合失調症
,
気分障害
,
cell based assay(CBA)法
Keyword:
抗NMDA受容体抗体脳炎
,
自己免疫性精神病
,
統合失調症
,
気分障害
,
cell based assay(CBA)法
pp.964-969
発行日 2021年6月12日
Published Date 2021/6/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27711964
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自己免疫性脳炎のなかで最も頻度が高い抗N-methyl-D-aspartic acid受容体(NMDAR)抗体脳炎は,精神症状が初発症状,早期の免疫療法が奏効する,抗精神病薬による副作用を生じやすいなどの特徴を持ち,精神疾患との鑑別が非常に重要な疾患である.神経細胞膜自己抗体によって,精神症状のみを呈する(神経症状をまったく,または微細にしか認めない)患者群は,典型的な自己免疫性脳炎とは区別して自己免疫性精神病(autoimmune psychosis)とよばれる.抗NMDAR抗体脳炎の疫学,診断と臨床症状,検査法と検査所見,発症機序,治療について概説する.加えて,抗NMDAR抗体を中心とした神経細胞膜自己抗体が精神疾患に与える影響についての知見をまとめ,本分野の将来の展望を考察する.
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