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特集 NMDA受容体と精神疾患
気分障害の病態におけるNMDA受容体の役割と新規治療薬の展望
Role of NMDA receptor in pathophysiology of mood disorders and novel antidepressants targeting NMDA receptors
茶木 茂之
1
Shigeyuki CHAKI
1
1大正製薬株式会社医薬研究本部
キーワード:
うつ病
,
NMDA受容体拮抗薬
,
ケタミン
Keyword:
うつ病
,
NMDA受容体拮抗薬
,
ケタミン
pp.976-981
発行日 2021年6月12日
Published Date 2021/6/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27711976
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非競合的N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体拮抗薬であるケタミンが治療抵抗性うつ病患者に画期的な効果を示したことから,NMDA受容体をターゲットした新規抗うつ薬の開発が注目されている.2019年にケタミンの光学異性体であるesketamineの経鼻スプレーが治療抵抗性うつ病(TRD)患者を対象として,米国食品医薬品局(FDA)より承認された.一方,NMDA受容体遮断による副作用と抗うつ作用を乖離することを目的としてケタミンとは異なる様式によりNMDA受容体を遮断あるいは活性調節する薬剤開発が精力的に実施されているが,いまだ成功には至っていない.さらに最近の研究により,ケタミンの抗うつ作用におけるNMDA受容体拮抗作用の役割に疑問も提示されている.NMDA受容体をターゲットとした新規抗うつ薬の有用性についてはさらなる検討が必要である.
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