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第4章 リウマチ・膠原病
[Sjögren症候群]Sjögren症候群におけるT細胞研究の最前線
坪井 洋人
1
,
安部 沙織
1
,
松本 功
1
1筑波大学 医学医療系膠原病リウマチアレルギー内科学
キーワード:
Sjögren症候群
,
自然免疫
,
獲得免疫
,
T細胞
Keyword:
Sjögren症候群
,
自然免疫
,
獲得免疫
,
T細胞
pp.508-512
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_508
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Summary
・Sjögren症候群(SS)は,唾液腺・涙腺などの外分泌腺へのリンパ球浸潤を病理学的特徴とする自己免疫疾患で,病態形成には自然免疫と獲得免疫の異常の両方が関わる.
・われわれは,唾液腺・涙腺に高発現するM3ムスカリン作動性アセチルコリン受容体(M3R)に対する自己免疫応答に着目し,ヒト検体,モデルマウスを用いてSSの病態形成におけるM3R反応性T細胞の役割を解明してきた.
・最新の研究では,CD4陽性T細胞のエピトープを同定するTScan-Ⅱが開発され,SS患者の唾液腺浸潤CD4陽性T細胞が認識する新たな自己抗原が同定された.
・最近のシングルセルRNAシークエンシングを用いた解析において,一次性SS患者の末梢血および口唇唾液腺では,CD4陽性T細胞と比較して,CD8陽性T細胞のほうがクローナルに増殖しており,口唇唾液腺で強い細胞傷害活性を有するCD69陽性CD103陰性CD8陽性GZMK陽性Trm細胞が同定されて,病態との関連が示唆された.
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