Japanese
English
特集 うつ病のニューロモデュレーション治療の新展開
ニューロモデュレーションの医療倫理
Medical Ethics of Neuromodulation
中澤 栄輔
1
Eisuke Nakazawa
1
1東京大学大学院医学系研究科医療倫理学分野
1Department of Biomedical Ethics, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo, Tokyo, Japan
キーワード:
ニューロモデュレーション
,
neuromodulation
,
脳神経倫理
,
neuroethics
,
リスク評価
,
risk assessment
,
自律性
,
autonomy
,
公正性
,
justice
Keyword:
ニューロモデュレーション
,
neuromodulation
,
脳神経倫理
,
neuroethics
,
リスク評価
,
risk assessment
,
自律性
,
autonomy
,
公正性
,
justice
pp.1767-1774
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206509
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抄録 ニューロモデュレーション技術は情動に介入する技術であり,倫理的なリスク評価,インフォームド・コンセント,公正さの観点から吟味が必要である。リスク評価では,技術の安全性に関するエビデンスの蓄積を踏まえ,とりわけ技術がもたらす変化の不可逆性について考慮されるべきである。インフォームド・コンセントにおいては,そうしたリスクについての十全な説明が要請される。また,自己決定のパラドクスに配慮し,自律性を全人的に理解することがよりよい技術利用への糸口となる。ニューロモデュレーション技術には,多様な価値観を実現するポテンシャルがある。一様な価値観を背景とする格差社会の格差拡大のツールにならぬよう,社会的なコンセンサス・レギュレーションが求められる。
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