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特集 うつ病のニューロモデュレーション治療の新展開
ニューロモデュレーション総論
Introduction of Neuromodulation
竹林 実
1
Minoru Takebayashi
1
1熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学講座
1Department of Neuropsychiatry, Kumamoto University Faculty of Life Sciences, Kumamoto, Japan
キーワード:
ニューロモデュレーション
,
neuromodulation
,
低侵襲
,
minimally invasive
,
脳神経外科治療
,
neurosurgery
Keyword:
ニューロモデュレーション
,
neuromodulation
,
低侵襲
,
minimally invasive
,
脳神経外科治療
,
neurosurgery
pp.1761-1765
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206508
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抄録 ニューロモデュレーションはデバイスを用いた神経刺激の治療法であり,身体疾患では広く用いられている。精神疾患に対しては,1940年代に不可逆な後遺症を生じたロボトミーと乱用を生じた電気けいれん療法(ECT)の負の歴史があり,特に本邦においては脳神経外科治療に関しては精神科領域では議論できない状況が続いている。ECTは厳密な適用,高い治療効果と手法の改善により,2000年代に入りニューロモデュレーションとして,再評価されるに至った。低侵襲性の反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)が2019年に本邦において保険適用を取得し,さらに低侵襲性の新しいニューロモデュレーションが次々と開発されている。一方,迷走神経刺激療法(VNS)や深部脳刺激療法(DBS)などの可逆的な脳神経外科治療は,研究段階ではあるが難治性うつ病の治療法として海外の脳外科領域で先行している。負の歴史と真摯に向き合いながら,倫理面の整備,脳外科領域とのギャップを埋めるような精神科領域での涵養,それらを踏まえた上,学会などで議論するテーブルを作ることが今後の課題と思われる。
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