連載 この病気,何でしょう? 知っておくべき感染症・Vol.6
皮膚リーシュマニア症(ただの虫刺され?)
小坂 篤志
1
Atsushi KOSAKA
1
1東京都立墨東病院感染症科
キーワード:
皮膚リーシュマニア症
,
粘膜リーシュマニア症
,
皮膚潰瘍
Keyword:
皮膚リーシュマニア症
,
粘膜リーシュマニア症
,
皮膚潰瘍
pp.488-493
発行日 2021年5月8日
Published Date 2021/5/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27706488
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Summary
リーシュマニア症は中南米,アフリカ,中東,南アジアを主な流行地域とする節足動物媒介感染症である.リーシュマニア症の臨床像は皮膚に結節・潰瘍病変を呈する皮膚リーシュマニア症,鼻腔・咽頭などの粘膜病変を有する粘膜リーシュマニア症と,発熱,体重減少,肝脾腫,汎血球減少,高γ-グロブリン血症などを呈する内臓リーシュマニア症の3つに大きく分けられる.南米で感染した皮膚リーシュマニア症の一部は粘膜リーシュマニア症へ移行する場合があり,気道管理や整容上の大きな問題となる.粘膜リーシュマニア症への移行リスクを評価するうえで原虫種の特定が重要になる.皮膚病変の広がりは宿主の細胞性免疫の障害の程度と関連している.流行地で使用されている治療薬は個人輸入が必要であり,わが国における治療薬はリポソーマルアムホテリシンBが第一選択になると考えられる.
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