Japanese
English
原著
皮膚リーシュマニア症—サウジアラビアでの感染例
Cutaneous Leishmaniasis
土田 哲也
1
,
大原 国章
2
,
野村 克己
3
,
小林 和代
4
,
和田 芳武
4
,
岡本 雅子
4
,
山浦 常
4
,
松本 克彦
4
,
石橋 康正
1
Tetsuya TSUCHIDA
1
,
Kuniaki OOHARA
2
,
Katsumi NOMURA
3
,
Kazuyo KOBAYASHI
4
,
Yoshitake WADA
4
,
Masako OKAMOTO
4
,
Hisashi YAMAURA
4
,
Katsuhiko MATSUMOTO
4
,
Yasumasa ISHIBASHI
1
1東京大学医学部皮膚科学教室
2虎の門病院皮膚科
3三菱電機本社診療所
4東京女子医科大学寄生虫学教室
1Department of Dermatology, University of Tokyo
2Section of Dermatology, Toranomon Hospital
3Mitsubishi Electronics Clinic
4Departmert of Parasitology, Tokyo Women's Medical College
キーワード:
皮膚リーシュマニア症
,
サウジアラビア
,
外科療法
Keyword:
皮膚リーシュマニア症
,
サウジアラビア
,
外科療法
pp.1275-1280
発行日 1989年12月1日
Published Date 1989/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204254
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サウジアラビアより帰国した46歳,52歳,56歳日本人男性に生じた皮膚リーシュマニア症cutaneous leishmaniasisの3例について報告した.症例1では四肢に圧痛のない,一部潰瘍を伴う径1.5cm〜6cmの暗紫褐紅色硬結を4個認め,左下肢〜鼠径部に10数個のリンパ節腫脹を伴っていた.硬結部,腫脹リンパ節のいずれからも,スタンプ標本で組織球様細胞内に,およびTobieらの培地での培養で熱帯リーシュマニアLeishmaniatropicaを検出した.アンチモン製剤は無効で病変部はすべて切除にて治療した.症例2では右下腿に径1.2cmの暗紫褐紅色硬結が単発し,スタンプ標本では虫体の存在は明瞭ではなかったが,培養で同様にLeishmania tropicaが陽性であった.症例3では下肢に萎縮性暗紫紅褐色斑が7個存在したが,培養等では虫体の存在は証明されず,自然治癒例と考えられた.若干の考察を加え,本症の外科的治療法の有用性についても言及した.
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