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特集 腎移植:最新の動向
各論
その他
TRACER(臓器移植包括的レジストリ)
Establishment of the cross-organ transplant central registry (TRACER) in Japan
剣持 敬
1
,
竹村 裕介
2
,
江川 裕人
3
KENMOCHI Takashi
1
,
TAKEMURA Yusuke
2
,
EGAWA Hiroto
3
1藤田医科大学病院臓器移植科
2熊本大学病院小児外科・移植外科
3浜松ろうさい病院
キーワード:
レジストリ
,
national database
,
臓器移植
,
TRACER
Keyword:
レジストリ
,
national database
,
臓器移植
,
TRACER
pp.800-806
発行日 2025年12月25日
Published Date 2025/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002259
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はじめに
日本で実施されている各臓器移植の症例数,生存率・生着率などは,日本における基礎データであり,移植医療の評価・発展のために重要な指標であり,集積が必要である。イスタンブール宣言の原則においても,「すべての管轄区域の担当官庁は,標準化,追跡可能性,透明性,品質,安全性,公平性および公衆の信頼を確保するために,臓器提供,配分および移植医療を監督し,責任を負うべきである」とされ,公的機関による公平な臓器配分に加え,追跡可能性,透明性確保の重要性が挙げられている1)。また,集計データの解析より,各臓器移植のさらなる安全性の向上,成績の向上につなげることは,われわれ移植医の責務と考える。現在までドナーの個人情報などの問題もあり,多くの臓器移植関連のデータは学会のみで共有され,広く一般国民には公表されてこなかった。このことが,移植医療が一般国民から遠い存在となり,特殊な医療という位置づけとなったことで,日本での移植医療の発展が海外に比較して大きく遅れをとった原因の1つと考えられる。今回,わが国の移植登録事業の一元化を図り,national database作成を目的として,TRACER(Transplant Central Registry)システムの構築を進めている。本稿では,TRACERの経緯,課題,将来展望について述べる。

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