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第1土曜特集 1細胞解析――技術と応用
応用
がん治療における薬剤応答性の1細胞解析
Single-cell analysis to determine drug response in cancer therapies
小林 進
1,2
Susumu KOBAYASHI
1,2
1国立がん研究センター先端医療開発センターゲノムトランスレーショナルリサーチ分野
2Department of Medicine, Beth Israel Deaconess Medical Center, Harvard Medical School
キーワード:
不均一性(heterogeneity)
,
再発
,
分子標的療法
,
薬物耐性
Keyword:
不均一性(heterogeneity)
,
再発
,
分子標的療法
,
薬物耐性
pp.1027-1031
発行日 2021年3月6日
Published Date 2021/3/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu276101027
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がんの薬物治療は従来の化学療法に加え,近年のシークエンス技術の発達によって同定されたドライバー変異に対する分子標的療法や,抗PD-1抗体をはじめとする免疫療法が用いられるようになり,格段に進歩してきた.その一方で,がん組織の不均一性(heterogeneity)に起因する初期耐性および獲得耐性(再発)の存在が臨床上大きな問題となっている.薬剤治療抵抗性の原因は一様ではなく,個人間はもとより同一個人であっても,がんの不均一性を反映して時間的・空間的に異なる機序が出現しうる.したがって,薬剤感受性の推定や耐性予防,およびその克服にはがんの不均一性の解明が不可欠である.本稿では,近年発達してきた1細胞解析技術が,がん治療における薬剤応答性の理解にどのように用いられているかを自験例も含めて概説する.
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