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特集 新型データ駆動型サイエンスの起動
ラーニング・ヘルスケア・システムの思想
-――“進化し続ける医療” を支える道徳規範をめぐる議論
Ethical aspects of data-driven medicine and the discussions on Learning Healthcare System
井上 悠輔
1
,
松井 健志
2
,
山本 圭一郎
3
Yusuke INOUE
1
,
Kenji MATSUI
2
,
Keiichiro YAMAMOTO
3
1東京大学医科学研究所公共政策研究分野
2国立がん研究センター社会と健康研究センター生命倫理・医事法研究部
3国立国際医療研究センター臨床研究センター臨床研究品質マネジメント室
キーワード:
ラーニング
,
倫理
,
個人情報
,
同意
Keyword:
ラーニング
,
倫理
,
個人情報
,
同意
pp.871-875
発行日 2021年2月27日
Published Date 2021/2/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27609871
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2000年代後半以降,米国では医療現場や患者の生の情報を体系的に運用することを軸とした “ラーニング・ヘルスケア・システム” モデルが提唱され,注目を集めている.知識生産(learning)を医療本来の活動のひとつとして位置づけ,実臨床で得られる情報の活用と現場への成果の還元をめぐり,医療者および患者などの役割再編を主張する.筆者らは,この指摘には従来の “倫理審査” 批判以上の意味があると考える.診療情報の利活用をめぐる個人と集団の利益の対立をどう乗り越えるか.個人医療情報の保護と活用を支える,次世代の倫理的基盤に向けた議論のヒントがあるかもしれない.
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