特集 内分泌疾患2
Part 2 どこまでを専門家がみて,どこから総合内科医がみるのか?
9.下垂体:①中枢性尿崩症,SIADH
須賀 英隆
1
,
高木 博史
2
,
有馬 寛
1
Hidetaka SUGA
1
,
Hiroshi TAKAGI
2
,
Hiroshi ARIMA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科 糖尿病・内分泌内科学
2名古屋市立大学医学部附属東部医療センター 内分泌内科
pp.417-423
発行日 2021年12月22日
Published Date 2021/12/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900914
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key point
中枢性尿崩症
・尿崩症を疑うきっかけの多くは多尿であるが,頻尿との判別に注意する。
・多尿の症例では尿浸透圧を評価し,低浸透圧尿であれば,内分泌専門医へ紹介する。
・デスモプレシン(経鼻製剤または経口製剤)による治療が開始され,その管理を内分泌専門医から引き継いだ場合,薬効が切れて尿量が増加する時間帯を適宜設けさせ,過量投与による水中毒の発生を回避する。特に渇感障害を合併する症例は管理が難しく,毎日の体重測定が投与量調整に有効である。
抗利尿ホルモン分泌過剰症(SIADH)
・SIADHを疑うきっかけは,主に低ナトリウム血症であり,無症状のことが多いが,重症例や急速進行例では倦怠感などの症状を呈することがある。
・水分制限を実施しても低ナトリウム血症が改善しない症例は,内分泌専門医に紹介する。
・内分泌専門医からトルバプタンによる治療を引き継いだ場合,状況に合わせた飲水方針を決定したうえで,血清ナトリウム値の定期フォローを行う。
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