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連載 バイオミメティクス(生体模倣技術)の医療への応用・vol.13
微視的ヘテロ力学場を用いた治療効果増強幹細胞の培養技術
Culture technology of therapeutically-enhanced stem cells on the matrix with microscopic stiffness-heterogeneity
木戸秋 悟
1
Satoru KIDOAKI
1
1九州大学先導物質化学研究所医用生物物理化学分野
キーワード:
間葉系幹細胞(MSC)
,
非一様力学場
,
非定住培養
,
細胞内部応力
Keyword:
間葉系幹細胞(MSC)
,
非一様力学場
,
非定住培養
,
細胞内部応力
pp.241-245
発行日 2021年1月16日
Published Date 2021/1/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27603241
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再生医療等製品の主要な一角を占める近年の細胞移植治療製品において,その構成源細胞の品質保持と大量調製が重要な課題となっている.生体より採取可能な成体幹細胞のひとつである間葉系幹細胞(MSC)は,すでに治療製品として市販され,さらに世界中で新たな対象疾患への適応拡大をめざして,臨床治験が精力的に進められているが,その治療有効性を保証した大量増殖技術はいまだ確立していないのが現状である.この課題の解決に対して,生体内におけるMSCの局在様式を規範とし模倣する培養基材の設計工学が重要となる.MSCの生体内ニッチは,骨・血管・血球系細胞の共存する非一様なサブセルラー力学構造を有しており,MSCはこのような微視的ヘテロ力学場において非定住・非局在の活動を行っている.微視的ヘテロ力学場を導入した培養基材にて,MSCを非定住培養することで,治療効果の増強に関わる細胞機能活性化が誘導される.生物規範工学的アプローチが再生医療等製品の開発に直結する技術の一例を紹介する.
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