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特集 法医学の新たな展開
死者の情報をいかに社会に還元するか
-――異状死体データベース
How should we learn from human deaths?
――Necessity of unnatural death database
岩瀬 博太郎
1
Hirotaro IWASE
1
1千葉大学大学院医学研究院法医学教室
キーワード:
データベース
,
異状死
,
検案
,
法医解剖
,
チャイルドデスレビュー(CDR)
Keyword:
データベース
,
異状死
,
検案
,
法医解剖
,
チャイルドデスレビュー(CDR)
pp.226-229
発行日 2021年1月16日
Published Date 2021/1/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27603226
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2020年4月に施行された死因究明等推進基本法では,死因究明により得られた情報を相互に共有し,および活用できる体制を構築するために必要な施策を講じるとされ,一方,日本小児科学会などから,子どもの死亡事例から学び,同様の死を予防する試みであるチャイルドデスレビュー(CDR)の実現が要望されてきたことを受け,生育基本法では,子どもの死亡の原因に関する情報に関してデータベースの整備その他の必要な施策を講じるとしている.現在,日本においては,警察取扱い死体の約9割を占める検案事例については詳細な情報は集めておらず,また約1割程度を占める法医解剖事例については,法医学会の作成する鑑定例概要があるものの,事例ごとの情報量は少ない状況にあるが,今後は検案事例の情報を集積すると同時に,法医解剖事例については解剖写真,諸検査の結果,死亡状況などについて詳細な情報を含むデータベースを全国規模で作成していく必要がある.
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