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特集 法医学の新たな展開
子どもの死をいかに防ぐか
-――チャイルドデスレビュー(CDR)における法医学の役割
How to prevent the death of children
千葉 文子
1
,
仙田 昌義
1,2
Fumiko CHIBA
1
,
Masayoshi SENDA
1,2
1千葉大学大学院医学研究院法医学教室
2総合病院国保旭中央病院小児科
キーワード:
チャイルドデスレビュー(CDR)
,
死亡診断書
,
死因
,
法医解剖
,
法医学
Keyword:
チャイルドデスレビュー(CDR)
,
死亡診断書
,
死因
,
法医解剖
,
法医学
pp.200-204
発行日 2021年1月16日
Published Date 2021/1/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27603200
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日本では,2018年に成育基本法,2019年に死因究明等推進基本法が成立し,チャイルドデスレビュー(CDR)の法的根拠が示された.CDRとは,子どもの死亡について複数の専門機関や専門家が死亡の原因や背景を調査分析し,有効な予防対策を策定し,予防可能な子どもの死亡を減らすことを目的としている.現在,数年以内の制度化を目標に,2020年度から1府6県での厚生労働省のモデル事業が開始されている.CDRは米国発祥の仕組みだが,米国の法医解剖は犯罪捜査と独立し死因究明を目的に行われるなど,CDRの土台となる死因究明に関する制度や解剖率などの状況は日本の法医解剖と根本的に異なっている.CDRの実施に際して,法医学の果たすべき役割は適切に死因を診断することと思われるが,制度の設計段階では解剖に至らなかった事例についても注意をはらっていく必要があると考えられる.
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