特集 プライマリ・ケア医/危機一髪 日常診療で困ったら
その他の危機一髪
患者が浴槽で亡くなり発見された!病死か事故死か?
福永 龍繁
1
,
長谷川 巖
1,2
1東京都監察医務院
2東海大学医学部基盤診療学
キーワード:
入浴中の突然死
,
監察医制度
,
異状死
,
検案
,
法医解剖
Keyword:
入浴中の突然死
,
監察医制度
,
異状死
,
検案
,
法医解剖
pp.402-404
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100298
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高齢者の増加に伴い,自宅で医師の診察を受けずに死亡する症例が増加している.これは全国的な傾向であり,監察医制度(J1)のある東京都23区内も同様である.ここでは,東京都監察医務院で扱った症例をもとに,高齢者の入浴中の死亡について概説する.
入浴中に死亡することは多いのか?
東京23区内の年間死亡者数は約6万人であり,そのうち約1万人を監察医務院で検案している1).これは,6人に1人は監察医が検案をするいわゆる「異状死」2)(J2)に該当していることを意味しており,その多さに驚く医師も多いであろうが,これが現実である.なお,この「異状死」というのは,医師の診察を受けずに死亡した患者や,病気で死亡した患者以外のいわゆる「外因死」によるものが該当するのであって,決して都内で殺人による変死体が6人に1人というわけではないので,誤解のないようご理解いただきたい.
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