Japanese
English
症例報告
副腎皮質ステロイドとコルヒチン内服が有効であったSchnitzler症候群の1例
A case of Schnitzler's syndrome successfully treated with oral corticosteroid and colchicine
岩﨑 達朗
1
,
野澤 優
1
,
松井 矢寿惠
2
,
中山 理一郎
3
,
岡本 英里子
4
,
河原 由恵
1
Tatsuro IWASAKI
1
,
Yu NOZAWA
1
,
Yasue MATSUI
2
,
Riichiro NAKAYAMA
3
,
Eriko OKAMOTO
4
,
Yoshie KAWAHARA
1
1けいゆう病院皮膚科
2国際親善総合病院皮膚科
3国際親善総合病院内科
4おかもと内科皮膚科クリニック
1Division of Dermatology, Keiyu Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Dermatology, International Goodwill Hospital, Yokohama, Japan
3Division of Internal Medicine, International Goodwill Hospital, Yokohama, Japan
4Okamoto Internal Medicine and Dermatology Clinic, Yokohama, Japan
キーワード:
Schnitzler症候群
,
自己炎症性疾患
,
副腎皮質ステロイド
,
コルヒチン
Keyword:
Schnitzler症候群
,
自己炎症性疾患
,
副腎皮質ステロイド
,
コルヒチン
pp.575-580
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207050
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要約 68歳,女性.5年前より軀幹四肢に瘙痒を伴う浮腫性紅斑が出現し,慢性蕁麻疹として近医皮膚科にて抗アレルギー薬で加療されるも難治であった.経過中にIgM-κ型M蛋白血症を認め,発熱,骨痛,関節痛が出現しSchnitzler症候群と診断した.CTで両側腋窩,両側鼠径リンパ節腫大を,骨シンチグラフィで四肢長管骨に異常集積を認めた.副腎皮質ステロイドとコルヒチン内服により,発熱や骨痛,関節痛の症状は消失し,蕁麻疹様紅斑も改善した.同疾患はIL-1βの病態への関与が考えられており,IL-1阻害薬が効果的だが,本邦では保険承認されておらず,プレドニゾロンが選択される例が多く,コルヒチンやジアフェニルスルホンが併用されることもある.抗アレルギー薬に不応の高齢者の慢性蕁麻疹患者の診療時には,当疾患の可能性を考え,発熱や関節痛,骨痛の有無の問診や血液検査で免疫グロブリン値の測定を行うことが望ましい.
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