Japanese
English
症例報告
成人発症Still病の2例
Two cases of adult-onset Still's disease
佐々木 桃子
1
,
杉山 由華
1
,
佐々木 哲雄
2
Momoko SASAKI
1
,
Yuka SUGIYAMA
1
,
Tetsuo SASAKI
2
1静岡医療センター皮膚科
2国際医療福祉大学熱海病院皮膚科
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Shizuoka Medical Center, Shizuoka, Japan
2Division of Dermatology, International University of Health and Welfare Atami Hospital, Shizuoka, Japan
キーワード:
成人発症Still病
,
血清フェリチン
,
自己炎症症候群
Keyword:
成人発症Still病
,
血清フェリチン
,
自己炎症症候群
pp.693-698
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104099
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要約 症例1:53歳,女性.四肢筋関節痛,発熱,咽頭痛があり,フェリチン4,164ng/ml,CRP 11.06mg/dlであった.発熱に伴って出現する紅斑がみられ,病理組織像では真皮上層の血管周囲主体の好中球を混ずる軽度の炎症細胞浸潤が認められた.他疾患が除外され,定型的皮疹もみられたため,成人発症Still病と診断した.ステロイド点滴,内服で加療し,1年5か月で中止した.発症から3年2か月間通院し,再燃はみられていない.症例2:61歳,女性.初診1か月前から皮疹,咽頭痛,5日前から関節痛があった.末梢血白血球14,800/μlと増多,CRP 17.69mg/dlで,即日入院した.39℃以上の発熱,フェリチン10,100ng/ml,肝機能異常があった.軽度浸潤性の紅斑が広範囲にみられ,病理組織像では真皮上層の好中球を混ずる炎症細胞浸潤が認められた.自己抗体陰性で,同症と診断した.ステロイド点滴当初に症状再燃とフェリチン値の更なる上昇がみられたが,その後改善に転じ,プレドニゾロン内服に切替え,30mg/日で退院した.両例において血清フェリチン値は本症の診断のみならず,その病勢の指標としても有用と考えられた.
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