特別企画 「脱毛症」に寄り添う
②“生きづらさ”を共有できる場として
武田 信子
1
1NPO法人「円形脱毛症の患者会」
pp.950-951
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002636
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1975年にカツラメーカーの東京義髪整形さんが自社製品を愛用している患者さんを集めて,そこに皮膚科医の先生をお呼びしてセミナーを行ったのが「円形脱毛症の患者会」の始まりです.会員数は常時150~200人ほどで,1年ごとの更新となっています.年齢層は当事者である3~4歳の患児とその親御さんから,上は70~80歳代までと幅広いですね.会に参加されるのは30~50歳代の女性が圧倒的に多い印象です.女性はしゃべって発散するところもありますし“人とつながって病気を乗り越えていこう”という考えの方が多いのかなと思います.一方,男性の患者の方の悩みにも根深いものがあると感じます.
会で話題に上るのはウィッグの話や病気をどのようにカミングアウトするか,学校や職場でどのように過ごしているか,現在どのような治療をしているか,といったことです.その方の体質や受けている治療の内容によっても悩みの種類は違い,たとえばアトピー性皮膚炎を併発している場合はウィッグがかぶりづらかったり,局所免疫療法を受けづらかったりするので「他にどんな方法がありますか?」という質問をされることもあります.脱毛部位が髪の毛だけの場合もあれば眉毛やまつ毛,全身に及んでいる人もいますし,悩みは本当に千差万別です.活動としては,そういった交流会のほかに,全国の皮膚科にアンケートを送って円形脱毛症の診療内容に関する調査を行い患者さんに病院を紹介したり,理事の先生方によるメールでの医療相談を受けたりもしています.また,年2回,脱毛症に詳しい先生を招いての講演会を催しています.
(「患者会について」より)
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