展望
酒皶をみたとき
山﨑 研志
1
1東北大学大学院医学系研究科皮膚科学
キーワード:
酒皶
,
赤ら顔
,
毛細血管拡張法
,
合併症
Keyword:
酒皶
,
赤ら顔
,
毛細血管拡張法
,
合併症
pp.907-912
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000001167
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酒皶は,顔面の紅斑,いわゆる「赤ら顔」を特徴とした疾患である.日常で赤ら顔を有した患者を診察すると多くの鑑別疾患をあげる必要がある.酒皶の赤ら顔の背景も一様ではない.気温変化や日光照射などの外界変化で消長をきたす酒皶本来の症状としての赤ら顔のみではなく,脂漏性皮膚炎,香粧品などの日常品による接触皮膚炎,花粉症を伴う花粉皮膚炎・airborne contact dermatitisなどによる赤ら顔が種々の程度に合併していることが多い.そこで酒皶を想起させる赤ら顔患者においては,総合的にアレルギー検査を行い,患者背景を知ることが治療の第一歩となる.また,酒皶患者では神経性疾患等の合併症が多くなるという調査結果報告も年々増えてきており,全身性疾患への留意が必要である.酒皶をみたとき・疑うときには,「たかが赤ら顔」と軽く考えずに全身性疾患としての背景を俯瞰して対応する必要がある.(「はじめに」より)
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