Topics
好酸球性筋膜炎の最近の考え方
神人 正寿
1
,
尹 浩信
1熊本大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Methylprednisolone
,
Prednisolone
,
強皮症-限局性
,
強皮症-全身性
,
拘縮
,
鑑別診断
,
経口投与
,
パルス療法(薬物療法)
,
拡散MRI
,
筋膜炎-好酸球性
Keyword:
Administration, Oral
,
Diagnosis, Differential
,
Contracture
,
Methylprednisolone
,
Prednisolone
,
Scleroderma, Localized
,
Scleroderma, Systemic
,
Pulse Therapy, Drug
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
pp.6-11
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016108429
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化好酸球性筋膜炎(eosinophilic fasciitis)は,四肢を中心とした皮膚硬化と,さらにはそれに伴う関節拘縮を急性あるいは亜急性にきたす原因不明の疾患である.本症はこれまでさまざまな病名・呼称で報告されてきた.まず,1974年にShulmanが末梢血好酸球増多,四肢の皮膚硬化と関節の屈曲拘縮を示した筋膜炎の2例に対し,diffuse fasciitis with eosinophiliaという疾患名を提唱した.その直後,Rodnanらも同様の皮膚硬化を有する6症例を報告したが,末梢血の好酸球増多に加えて筋膜にも好酸球浸潤を伴っていたことに注目し,eosinophilic fasciitisという病名をはじめて用いた.そして好酸球の存在が特徴の疾患と考えられたため今日までeosinophilic fasciitisという病名が一般的に用いられているが,その後さらに症例が蓄積され,末梢血の好酸球数増多や病理組織像における筋膜の好酸球浸潤が目立たない症例も多いことがわかってきたため,diffuse fasciitis with or without eosinophilia,あるいはShulman症候群という疾患名も使用されることがある.加えて,疾患概念についてもいくつかの意見があり,一般的には独立した疾患概念と考えられているが,限局性強皮症の一亜型とするような考え方も存在する.以上のように,いまだcontroversialなところもある本疾患に関するさまざまな知見について,本稿ではできる限り最新の論文を含めてまとめてみた.(「はじめに」より)
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