特集 肝臓病と皮膚疾患
臨床例
肝移植ドナー手術後に発症したアナフィラクトイド紫斑
野間 陽子
1
,
村上 信三
,
関川 孝司
1松山市民病院 皮膚科
キーワード:
Prednisolone
,
胃潰瘍
,
肝臓移植
,
紫斑病-Schoenlein-Henoch
,
十二指腸潰瘍
,
術後合併症
,
鑑別診断
,
生検
,
ドナー
,
胃腸内視鏡法
,
腎炎-紫斑病性
,
腹部CT
Keyword:
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Duodenal Ulcer
,
Purpura, Schoenlein-Henoch
,
Postoperative Complications
,
Prednisolone
,
Stomach Ulcer
,
Tissue Donors
,
Liver Transplantation
,
Endoscopy, Gastrointestinal
pp.271-274
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2015144270
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<症例のポイント>肝移植ドナー手術後に強い消化器症状が先行し、紫斑からアナフィラクトイド紫斑(Henoch-Schoenlein紫斑)と診断できた症例を報告した。診断確定後にプレドニゾロンが投与され、紫斑と消化器症状は速やかに軽快したが、遅れて腎炎を発症した。成人では腎炎合併は予後不良因子であり、強い消化器症状において合併率が高いとされる。アナフィラクトイド紫斑では10~20%で消化器症状が先行するが、自験例では術後でワルファリンカリウム内服中であり紫斑が見逃されていた可能性がある。術後感染症ははっきりせず高い手術侵襲が発症誘因となったと思われた。
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