特集 汗と皮膚病
臨床例
金属除去食が著効を示した著明な過角化を伴った汗疱状湿疹
足立 厚子
1
1兵庫県立加古川医療センター 皮膚科
キーワード:
Nickel
,
Palladium
,
湿疹-汗疱状
,
掌蹠角皮症
,
食事療法
,
鑑別診断
,
生検
,
金属アレルギー
Keyword:
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Diet Therapy
,
Keratoderma, Palmoplantar
,
Palladium
,
Nickel
,
Eczema, Dyshidrotic
pp.717-720
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014314320
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<症例のポイント>掌蹠とくに足蹠の過角化が強く、内臓悪性腫瘍のデルマドロームによる足蹠角化症が疑われて初診された。病理組織学的に過角化、表皮肥厚はあるものの、表皮内への著明なリンパ球細胞浸潤と表皮海綿状態が主体の湿疹病変であった。金属のパッチテストを施行したところ、パラジウムとニッケルが陽性を示した。患者は以前から健康増進を目的に、大豆やナッツを多量に摂取していたため、これらの食品にはニッケルが多く含まれることを説明し、ニッケル制限食を指導すると著明に軽快した。過角化の強い汗疱状湿疹であるが、全身型ニッケルアレルギーの機序により発症し、ニッケル制限食により軽快したと考えた。
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