特集 接触皮膚炎-2017
臨床例
携帯電話から溶出したクロムによると考えられたアレルギー性接触皮膚炎
井上 友介
1
,
足立 厚子
,
指宿 千恵子
,
山本 篤志
,
赤木 竜也
1兵庫県立加古川医療センター 皮膚科
キーワード:
Chromium
,
湿疹-汗疱状
,
鑑別診断
,
パッチテスト
,
皮膚炎-アレルギー性接触
,
金属アレルギー
,
携帯電話
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Chromium
,
Eczema, Dyshidrotic
,
Patch Tests
,
Dermatitis, Allergic Contact
,
Cell Phone
pp.747-750
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017304607
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<症例のポイント>難治性の手湿疹で詳細な問診の結果、湿疹に左右差があり利き手に症状が強いこと、仕事関係で携帯電話を頻回かつ長時間使用すること、使用している携帯電話の塗装が剥げていることなどから携帯電話による接触皮膚炎を疑い精査を行った。パッチテストにて同携帯電話の塗装部分およびクロムで陽性であり、成分解析の結果携帯電話のボタンからクロムを検出したため、携帯電話から溶出したクロムによる接触皮膚炎と考えた。繰り返す接触皮膚炎は、患者自身が自覚していないものが原因である可能性があり、ときに特定が困難である。診断には詳細な問診が必要である。
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