特集 生物学的製剤・有用性
臨床例
インフリキシマブが奏効した関節症性乾癬患者の動画でみる歩行状態の変化
上嶋 祐太
1
,
鎌田 昌洋
,
多田 弥生
,
佐藤 伸一
1東京大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
X線診断
,
関節炎-乾癬性
,
関節リウマチ
,
鑑別診断
,
放射性核種イメージング
,
歩行
,
動画
,
Infliximab
Keyword:
Infliximab
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Diagnosis, Differential
,
Gait
,
Motion Pictures
,
Radiography
,
Radionuclide Imaging
,
Arthritis, Psoriatic
pp.329-332
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014237167
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<症例のポイント>関節症性乾癬は関節炎により関節破壊、変形をきたすため、患者のquality of life(QOL)は著しく低下する。そのため、とくに重症例では不可逆的な関節破壊の進展を予防しうる抗TNF-α製剤を早期に導入することが治療において重要である。足の腱付着部炎、仙腸関節炎を有し、歩行障害の症状を呈した関節症性乾癬患者に対し、インフリキシマブ導入数日後より速やかに症状の改善を認め、psoriasis area and severity index(PASI)score、dermatology life quality index(DLQI)、psoriasis disability index(PDI)、disease activity score(DAS)28など各指標とQOLも著明に改善した症例を経験した。今回、それらの尺度とともに動画による歩行状態の経時的変化をみた。治療の臨床効果は、DAS28やhealth assessment questionnaire(HAQ)などの各指標の数値の改善を見れば、いつごろ治療効果に十分な満足が得られるかについては把握できる。しかし、関節症性乾癬の歩行障害がどのようなものか、また、それが実際の治療によってどの程度、どのくらいの早さで改善するかということに関しての情報共有はむずかしい。それを可能にするのが動画であると考える。
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