特集 生物学的製剤・有用性
臨床例
遺伝性血管性浮腫、Sjoegren症候群を合併した関節症性乾癬にエタネルセプトが奏効した例
糸井 沙織
1
,
梅垣 知子
,
谷 守
,
吉良 正浩
,
堀内 孝彦
,
片山 一朗
1大阪大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Sjoegren症候群
,
関節炎-乾癬性
,
鑑別診断
,
投薬計画
,
変異
,
Etanercept
,
遺伝学的検査
,
遺伝性血管性浮腫
Keyword:
Etanercept
,
Diagnosis, Differential
,
Drug Administration Schedule
,
Genetic Testing
,
Mutation
,
Sjogren's Syndrome
,
Arthritis, Psoriatic
,
Angioedemas, Hereditary
pp.325-328
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014237166
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<症例のポイント>遺伝性血管性浮腫(hereditary angioedema、以下、HAE)はC1インヒビターの量的欠損あるいは機能的な減弱により引きおこされる。喉頭浮腫は遺伝性血管性浮腫の重篤な症状であり、喉頭浮腫の適切な治療が行われなかった場合の致死率は30%といわれている。HAEを有する患者に生物学的製剤を使用する際、補体の活性化能とC1インヒビター消費による発作誘発の危険があり、慎重に投与する必要がある。自験例では生物学的製剤の中で補体活性への影響がもっとも少なく、半減期の短く、血中濃度のピークがもっとも低いエタネルセプトを選択した。投与後、HAEの急性発作は誘発されず、皮膚・関節症状とも著明に改善した。エタネルセプトは1型HAEを有する患者において、関節症性乾癬の治療の有効な選択肢の1つであると考える。
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