特集 結節性紅斑とその周辺
臨床例
皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫
村松 伸之介
1
,
西田 絵美
,
西尾 栄一
,
森田 明理
1名古屋市立大学 大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学
キーワード:
Prednisolone
,
腫瘍多剤併用療法
,
鑑別診断
,
脂肪組織炎
,
皮膚腫瘍
,
リンパ腫-T細胞性
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Diagnosis, Differential
,
Prednisolone
,
Skin Neoplasms
,
Panniculitis
,
Lymphoma, T-Cell
pp.63-66
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014140553
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<症例のポイント>皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫(subcutaneous panniculitis-like T-cell lymphoma、以下、SPTCL)では、病理組織学的に小葉性の脂肪織炎を呈すること、腫瘍細胞は細胞障害性T細胞の形質パターンを示すこと、T細胞受容体のモノクローナルな再構成を認めることが特徴である。病初期では異型リンパ球がわずかしか認められない場合があるため、当初はWeber-Christian病、cytophagic histiocytic panniculitis(以下、CHP)、深在性エリテマトーデスなどと診断されていても、経過とともにSPTCLに特徴的な像を呈するようになることがある。自験例でも症状再燃後の再生検にてSPTCLの確定診断に至った。SPTCLの治療として化学療法や、副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤の投与が行われることが多い。自験例ではプレドニゾロン(PSL)のみでは病勢が安定せず、多剤併用化学療法を必要とした。
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