症例
鶏サルモネラ症不活化ワクチンの誤注射により皮下脂肪織炎を呈した1例
北野 文朗
1
,
田中 暁生
1広島県立広島病院 皮膚科
キーワード:
サルモネラ感染症
,
不活化ワクチン
,
医療過誤
,
デブリードマン
,
脂肪組織炎
,
皮膚疾患-下肢
,
予防接種
Keyword:
Debridement
,
Malpractice
,
Leg Dermatoses
,
Salmonella Infections
,
Vaccines, Inactivated
,
Vaccination
,
Panniculitis
pp.1707-1709
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017077891
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43歳男性。ニワトリに鶏サルモネラ症不活化ワクチンを注射作業中、右大腿部にワクチンを誤注射し、その後、右大腿部に激しい疼痛を伴う鶏卵大の紅斑、腫脹、皮下硬結が出現し、著者らの施設へ受診となった。初診時、右大腿部にびらんを伴う非常に強い発赤と腫脹、熱感も認め、血液検査では白血球、CRPの上昇を認めた。以上、これらの臨床経過や臨床所見より、本症例は皮下脂肪織炎と診断し、患部の切開と洗浄が行われたが症状は改善せず、初診10日後に硬結部位のデブリードマンを施行したところ、疼痛と皮下の硬結は改善した。術後はバシトラシン・フラジオマイシン硫酸塩含有軟膏外用で保存的に加療し、デブリードマン後53日目には上皮化が得られた。
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