特集 全身症状を伴う皮膚疾患(1)
臨床例
脂肪織炎と間質性肺炎を合併した皮膚筋炎
秋津 美帆
1
,
石黒 直子
,
杉本 直樹
,
大澤 彦太
,
杉本 栄康
1東京女子医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
Ciclosporin
,
Prednisolone
,
鑑別診断
,
生検
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
脂肪組織炎
,
脂肪組織炎-結節性非化膿性
,
皮膚筋炎
,
肺炎-間質性
,
胸部CT
Keyword:
Administration, Oral
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Dermatomyositis
,
Drug Therapy, Combination
,
Panniculitis, Nodular Nonsuppurative
,
Prednisolone
,
Panniculitis
,
Cyclosporine
,
Lung Diseases, Interstitial
pp.771-774
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014044967
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<症例のポイント>皮膚筋炎患者の5~10%に脂肪織炎の合併がみられる、脂肪織炎は四肢、臀部に好発し、皮下結節、硬結、潰瘍などの皮疹を呈することが多い。脂肪織炎を合併した皮膚筋炎における悪性腫瘍の合併率は、皮膚筋炎全体での合併率と比較して少ない傾向にある。一方、間質性肺炎の合併率は、皮膚筋炎全体での合併率と比較して必ずしも多くはないが、ステロイド抵抗性での死亡例もみられる。脂肪織炎の病理組織像で膜嚢胞性病変を伴うことがある。膜嚢胞性病変、間質性肺炎の発症には微小血管障害という共通の病態の存在が推測され、両者の病勢が並行する可能性を推察する。自験例はステロイドと免疫抑制薬の全身投与により軽快したが、とくに膜嚢胞性病変を伴う脂肪織炎を合併する皮膚筋炎では、間質性肺炎の進行に十分な注意が必要と考える。
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