特集 皮膚真菌症(7)
臨床例
易感染性宿主に合併した皮下型ケタマカビ(Chaetomium属)感染症
平澤 祐輔
1
,
比留間 政太郎
,
清水 愛
,
小川 祐美
,
池田 志斈
,
菊池 賢
,
佐野 文子
,
矢口 貴志
1順天堂大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Chaetomium
,
Prednisolone
,
易感染性宿主
,
重症筋無力症
,
皮膚疾患-真菌性
,
Terbinafine
,
Voriconazole
Keyword:
Dermatomycoses
,
Chaetomium
,
Myasthenia Gravis
,
Prednisolone
,
Immunocompromised Host
,
Voriconazole
,
Terbinafine
pp.1061-1064
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014102886
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<症例のポイント>ケタマカビ(Chaetomium属)は世界中の土壌、動物の糞、枯れ木などに生息し、子嚢菌類に属する。重症筋無力症と胸腺腫の加療中の56歳女性に合併した全身性ケタマカビ(Chaetomium属)感染症を報告した。初発の症状は8cm大の皮下膿瘍で、穿刺吸引した膿汁の塗抹鏡検で糸状菌が検出された。原因菌はChaetomium属関連菌種(Chaetomidium plosum、Chaetomium globosum)と分子生物学的に高い相同性を示した。本菌による全身感染例の報告は国内では自験例含め2例、世界で16例、皮下膿瘍を呈した例としては唯一である。今後、免疫不全患者に合併した報告が増加する可能性がある。
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