症例
急性骨髄性白血病治療中に生じたFusarium感染症の1例
浅井 幸
1
,
吉見 公佑
,
竹中 基
,
宇谷 厚志
,
村長 保憲
,
亀井 克彦
,
西本 勝太郎
1長崎大学病院 皮膚科・アレルギー科
キーワード:
陰茎
,
陰嚢
,
腫瘍再発
,
生殖器疾患-男性
,
経口投与
,
白血病-急性骨髄性
,
皮膚疾患-顔面
,
皮膚疾患-真菌性
,
致死的転帰
,
Voriconazole
,
真菌培養
,
Gemtuzumab
,
フサリウム症
Keyword:
Administration, Oral
,
Dermatomycoses
,
Facial Dermatoses
,
Genital Diseases, Male
,
Penis
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Scrotum
,
Leukemia, Myeloid, Acute
,
Fatal Outcome
,
Fusariosis
,
Voriconazole
,
Gemtuzumab
pp.105-109
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017115831
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
76歳男。陰嚢部の硬結を主訴とした。急性骨髄性白血病治療中の患者で陰嚢の硬結と疼痛にて紹介受診となり、ヘルペス感染症を考えて抗ウイルス薬を投与するも陰嚢前面、陰茎に黒色壊死・痂皮を伴う皮膚潰瘍が拡大し、新たに右眉毛外側に黒色壊死を伴う硬結(20mm大)が出現した。陰嚢の硬結の皮膚生検では真皮に著明な炎症細胞浸潤と壊死、中央部の潰瘍底に多数の真菌の菌体を認め、KOH鏡検で菌糸陽性、培養では白色調で表面綿毛状の集落形成が確認された。また、スライドカルチャーでは三日月型の大分生子を認め、遺伝子解析によりFusarium solani species complexと同定された。ボリコナゾールの全身投与により皮膚症状の進行は抑制されたが、原疾患の増悪により死亡した。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.