特集 ざ瘡・ざ瘡様発疹
臨床例
ざ瘡瘢痕にみられたミノサイクリンによる色素沈着
仲 優
1
,
常深 祐一郎
,
林 伸和
,
川島 眞
1東京女子医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
Minocycline
,
尋常性ざ瘡
,
色素異常症
,
鑑別診断
,
生検
,
経口投与
,
皮膚疾患-顔面
,
母斑-太田
Keyword:
Administration, Oral
,
Acne Vulgaris
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Facial Dermatoses
,
Minocycline
,
Nevus of Ota
,
Pigmentation Disorders
pp.295-298
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2013205732
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<症例のポイント>ミノサイクリンは抗菌作用だけでなく、抗炎症作用があるため慢性炎症性疾患に対して長期にわたって用いられることがある。ミノサイクリンには種々の副作用があり、消化器症状や肝機能障害、めまい、色素沈着などが知られている。自験例は、ミノサイクリン内服開始9ヵ月目より、顔面のざ瘡の瘢痕部位に一致して青黒色調の色素斑がみられ、内服を中止して7ヵ月目より著明に改善しはじめた。ミノサイクリンによる色素沈着はBaslerによりI~III型に分類され、のちにMoutonらがIV型を加えている。自験例はミノサイクリンによる色素沈着が、ざ瘡瘢痕部位に一致しており、I型に相当すると考えられる。ミノサイクリンを長期にわたり内服する際には、色素沈着に注意する必要がある。
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