特集 ざ瘡・ざ瘡様発疹
臨床例
孤立性丘疹を呈した好酸球性膿疱性毛包炎
松村 康子
1
,
岡田 瑠奈
,
大野 真梨恵
,
守田 亜希子
,
中村 和子
,
松倉 節子
,
蒲原 毅
1横浜市立大学附属市民総合医療センター 皮膚科
キーワード:
Indomethacin
,
尋常性ざ瘡
,
鑑別診断
,
生検
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
Misoprostol
,
丘疹
,
毛包炎-好酸球性膿疱性
Keyword:
Administration, Oral
,
Acne Vulgaris
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Drug Therapy, Combination
,
Indomethacin
,
Misoprostol
pp.271-274
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2013205726
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<症例のポイント>好酸球性膿疱性毛包炎(eosinophilic pustular folliculitis、以下、EPF)は、臨床像により、古典型、免疫抑制型と小児型の3つに分類される。古典型は、主に顔面に毛孔一致性の丘疹・膿疱が環状または局面状に遠心性に拡大し、中心部は鱗屑と色素沈着を残して消褪する臨床像を呈し、免疫抑制型は、掻痒が強く融合傾向の少ない毛孔一致性紅色丘疹を呈する。自験例は、強い掻痒と融合傾向のない孤立性丘疹が体幹に多発してみられる臨床像から免疫抑制型と考えられた。孤立性丘疹を呈するEPFでは、HIV感染や悪性腫瘍など免疫抑制をきたす原疾患の検索が必要であり、自験例では、現時点でHIV感染や悪性腫瘍など免疫抑制をきたす合併症はみつかっていないが、今後、注意深く経過観察していく必要がある。EPFの治療の第一選択はインドメタシンとされ、自験例においても同剤の内服が著効した。
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