特集 小児鼠径ヘルニアupdate
アンドロゲン不応症合併ヘルニアに対する対応
宇都宮 有美
1
,
小野 靖之
1
,
住田 亙
1
,
毛利 純子
1
Ami Utsunomiya
1
,
Yasuyuki Ono
1
,
Wataru Sumida
1
,
Junko Mouri
1
1あいち小児保健医療総合センター小児外科
pp.85-90
発行日 2026年1月25日
Published Date 2026/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001440
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はじめに
完全型アンドロゲン不応症(complete androgen insensitivity syndrome:CAIS)は,46, XY核型を有しながら外性器は女性型を呈する性分化疾患(disorders of sex development:DSD)の一型であり,アンドロゲン受容体(androgen receptor:AR)遺伝子変異によりアンドロゲン作用が欠如することで発症する1,2)。その発生頻度は1/20,000~1/100,000出生とされ,46XY DSDのなかでは最も頻度の高い疾患のひとつとされる3,4)。患者は出生時女性として認識され育つことが多く,乳房発育は正常に得られる一方,思春期になっても月経が出現しないことから診断に至ることが多い5,6)。内部生殖器はMüller管抑制により子宮・卵管が存在せず,精巣は腹腔内・鼠径管・陰唇部に位置するため,女児鼠径ヘルニアは重要な診断機会となる。特に女児の両側例では1~2%にCAISが存在するとされ1,7),小児外科診療における認識が求められる。

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