特集 小児期精巣関連疾患の診断と治療
完全型アンドロゲン不応症と鼠径ヘルニア,性腺摘出のタイミングについて
金森 洋樹
1,3
,
山田 洋平
1
,
佐藤 武志
2
,
藤野 明浩
1
Hiroki Kanamori
1,3
,
Yohei Yamada
1
,
Takeshi Sato
2
,
Akihiro Fujino
1
1慶應義塾大学小児外科
2慶應義塾大学小児科
3杏林大学小児外科
pp.972-975
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000577
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はじめに
アンドロゲン不応症(androgen insensitivity syndrome:AIS)は46,XY核型をもつ性分化疾患(disorders of sex development:DSD)の代表的疾患である。性染色体がXYであるため精巣は正常に分化するが,アンドロゲン受容体(androgen receptor:AR)の機能低下によりアンドロゲンの作用不全を呈する。AR機能低下の程度により,完全型(complete AIS:CAIS),部分型(partial AIS:PAIS),軽症型に分類され,X染色体上のAR遺伝子の病的バリアントに起因するためX連鎖性の遺伝形式をとり,約70%が母由来,約30%がde novoに発生する1)。本稿では主にCAISについて報告する。
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