特集 小児鼠径ヘルニアupdate
ヘルニア術後長期合併症としての不妊症と外科治療(1)―鼠径ヘルニア術後長期合併症としての男性不妊症―
白石 晃司
1
Koji Shiraishi
1
1山口大学大学院医学系研究科泌尿器科学講座
pp.91-95
発行日 2026年1月25日
Published Date 2026/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001441
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はじめに
鼠径ヘルニア術後長期合併症としての男性不妊症は,精管での精路閉塞による閉塞性無精子症(obstructive azoospermia:OA)を呈する。男性不妊症における精路通過障害の頻度は1998年が13.7%であったのに対し,2017年の報告においては3.9%と低下し,性機能障害の頻度が増加していると報告されている1)。この結果は他の男性不妊の原因と比較した相対値であることと,体外受精や顕微授精(intracytoplasmic sperm injection:ICSI)を主な診療としている生殖補助医療(assisted reproductive technology:ART)施設の増加に伴い,OAに対しては精巣内精子採取術(testicular sperm extraction:TESE)による精子採取率が盛んに施行されていることから,OAは泌尿器科に紹介されずART施設でその治療が行われていることが多い。2022年不妊治療の保険適用に伴い,その傾向はさらに顕著になってきている。つまりOAの頻度自体は必ずしも減少しているとは断定できない。

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