特集 総排泄腔遺残症
総排泄腔遺残症―術後遠隔期の現状
中原 康雄
1,2
,
向井 亘
1,2
,
後藤 隆文
1,2
,
青山 興司
1,2,3
Yasuo Nakahara
1,2
,
Wataru Mukai
1,2
,
Takafumi Goto
1,2
,
Koji Aoyama
1,2,3
1独立行政法人国立病院機構岡山医療センター小児外科
2NPO法人中国四国小児外科医療支援機構
3青山こどもクリニック
pp.1160-1164
発行日 2025年11月25日
Published Date 2025/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001371
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はじめに
総排泄腔遺残症(以下,本症)は,尿路・生殖路・消化管が共通管に合流する先天異常であり,その解剖学的バリエーションは多彩である。従来は共通管の長さが手術方針と予後に大きく影響するとされてきたが,近年では固有尿道長がより重要であると指摘されている1)。当院では以前より固有尿道長に基づく青山分類2)を用いており,本稿でも同分類に準拠して方針や予後を述べる。加えて,本稿では,本症の術後遠隔期における課題として腎尿路機能,排便機能,生殖・性機能について論じ,さらにはフォローアップの現状についても言及する。また,近年の文献を中心に術後遠隔の現状を整理し,長期的問題と治療成績を提示する。

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