特集 総排泄腔遺残症
思春期・青年期の諸問題
銭谷 昌弘
1
,
松尾 規佐
2
,
松井 太
3
,
奈良 啓悟
1
Masahiro Zenitani
1
,
Kisa Matsuo
2
,
Futoshi Matsui
3
,
Keigo Nara
1
1大阪母子医療センター小児外科
2大阪母子医療センター泌尿器科
3大阪母子医療センター看護部
pp.1156-1159
発行日 2025年11月25日
Published Date 2025/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001370
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はじめに
総排泄腔遺残症は,尿道,腟,直腸が合流し,単一の管腔として会陰部に開口する先天性直腸肛門奇形の特殊型に分類される疾患である。排便に関わる筋群の発達が不十分であることが多く,高位鎖肛に準じた排便機能障害を呈し,排便管理に難渋することが多い。そのため,浣腸や洗腸のみならず,虫垂瘻を用いた順行性の洗腸や人工肛門造設などの管理を要することもある。さらに,尿排泄障害や腎形態異常を伴うこともあり,尿禁制や腎機能障害に厳重なフォローアップが求められる。加えて,術後の腟狭窄に起因する月経血流出路障害にも注意が必要であり,継続的なフォローアップと長期的かつ計画的な治療が不可欠である。

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