特集 総排泄腔遺残症
総排泄腔遺残症術後患者の性交・妊孕能と当科の成績
向井 亘
1,2
,
中原 康雄
1,2
,
後藤 隆文
1,2
,
青山 興司
1,2,3
Wataru Mukai
1,2
,
Yasuo Nakahara
1,2
,
Takafumi Goto
1,2
,
Koji Aoyama
1,2,3
1独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター小児外科
2NPO法人中国四国小児外科医療支援機構
3青山こどもクリニック
pp.1196-1200
発行日 2025年11月25日
Published Date 2025/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001379
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はじめに
総排泄腔遺残症(persistent cloaca:以下,PC)は消化器,泌尿器,生殖器の3領域にまたがる複雑な解剖から,現在の小児外科医療においてもっともChallengingな疾患の一つである。理想的には「女性」としての解剖学的修復と機能獲得により初めてPCの治療を完遂したといえるが,生命維持と日常的な排泄機能の確保のため,直腸ならびに膀胱機能の治療が優先される。幼少時には未発達な生殖器の機能は二次性徴や月経発来によって初めて問題が明らかになることもあり,生殖器への治療は時期的に優先順位として低くなることが多い。さらに個別の重症度も大きく異なり,治療により生殖機能の獲得が必ずしも可能とは限らない。

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