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特集 川崎病
青年期川崎病の諸問題—血管機能と社会生活
Problems of Adolescent and Young Adults with a History of Kawasaki Disease:Vascular Function and Social Life
牟田 広実
1
Hiromi Muta
1
1飯塚市立病院小児科
1Department of Pediatrics, Iizuka City Hospital
pp.39-46
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205614
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はじめに
川崎病の既往者は心血管疾患のリスクが高くなっている可能性が示唆されているが,青年期に達した既往者は増加の一途をたどっており,2010年末現在で20歳代が約6万9千人,30歳代が約4万4千人,粥状動脈硬化のリスクが高くなる40歳代以上に限っても約5千人と推計されている1).そのため,現実問題として既往者すべてをフォローしていくことは困難である.本稿ではこれまでに報告されている川崎病の既往者の遠隔期の血管機能に関する知見をまとめるとともに,見過ごされやすい晩発性の心理社会的適応に関する問題も把握することができることからより適切なアウトカム指標とされている健康関連QOLについての知見もまとめ,川崎病の既往者を今後どのようにフォローすべきかについて考察する.
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