特集 高位・中間位鎖肛手術術式の成績と問題点アップデート
思春期を迎えた患者の性機能とその支援
松井 太
1
,
松尾 規佐
2
,
樋口 伊佐子
2
,
矢下 博輝
1
,
大嶋 浩一
1
,
矢澤 浩治
1
,
松本 富美
1
,
臼井 規朗
3
,
位田 忍
4
Futoshi Matsui
1
,
Kisa Matsuo
2
,
Isako Higuchi
2
,
Hiroki Yashita
1
,
Kouichi Oshima
1
,
Koji Yazawa
1
,
Fumi Matsumoto
1
,
Noriaki Usui
3
,
Shinobu Ida
4
1大阪母子医療センター泌尿器科
2大阪母子医療センター看護部
3大阪母子医療センター小児外科
4大阪母子医療センター移行期支援センター
pp.735-739
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000189
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はじめに
性機能障害とは,性反応が抑制され,性交ができない,性感がないなど性交のプロセスに支障をきたす状態である。性反応が引き起こされるには,正常な血液循環や神経支配,感覚機能,反射作用,内分泌学的環境などを備えた生殖器官が必要である。性機能障害は,成人期の生活の質(QOL)に影響を与えることが報告されており,鎖肛患者においても例外ではない。しかしながら,鎖肛患者における性機能に関する報告は多くはない。その理由として,乳児期から成人期まで長期にわたってフォローする必要がある点,鎖肛の病型や随伴する先天性異常が多様である点が評価を困難にしていると考えられる。また,医療者にとって「性」というプライベートな部分に対し相談を受けることに慣れておらず,患者の性に対する不安や悩みが表出されていない場合が少なくないと推測される。
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