特集 小児外科疾患の発生を考える
神経芽腫
文野 誠久
1
,
井口 雅史
1
,
井上 真帆
1
Shigehisa Fumino
1
,
Masafumi Iguchi
1
,
Maho Inoue
1
1京都府立医科大学小児外科
pp.881-883
発行日 2025年8月25日
Published Date 2025/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001290
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はじめに
神経芽腫(neuroblastoma)は,脳腫瘍を除く小児固形悪性腫瘍のなかで最も頻度が高く,日本では年間150~200例程度が新たに発症し,その約90%は5歳未満での発症となる。予後は,比較的良好な低・中間リスク群から依然として難治性を示す高リスク群まで多様である。特に,高リスク神経芽腫に対する新規治療の開発は急務であり,近年では13-シス-レチノイン酸による分化誘導療法,抗GD2抗体による免疫療法,MIBG内照射療法などが試みられているが,いまだに確立された標準治療は存在しない。

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