特集 小児外科疾患の発生を考える
鼠径ヘルニア・陰囊水腫(Nuck水腫)・停留精巣
平林 健
1
Takeshi Hirabayashi
1
1弘前大学医学部附属病院小児外科
pp.874-879
発行日 2025年8月25日
Published Date 2025/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001289
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はじめに
鼠径ヘルニア・陰囊水腫(Nuck水腫)・停留精巣は,小児外科で頻繁にみられる代表的な疾患である。これらの疾患は胎生期の鼠径管や腹膜鞘状突起の形成および性腺の下降と密接に関連しており,その解剖学的・発生学的メカニズムの理解が重要である。本稿では,これら疾患の病態を明らかにするために,鼠径管の構造,腹膜鞘状突起の形成と閉鎖機序,精巣下降のメカニズムについて考察する。

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