特集 異物の診断と治療
当院における小児食道異物症例の検討
石川 順一
1
,
吉野 智美
1
,
髙間 勇一
2
,
神山 雅史
2
,
佐々木 隆士
3
Junichi Ishikawa
1
,
Tomomi Yoshino
1
,
Yuichi Takama
2
,
Masafumi Kamiyama
2
,
Takashi Sasaki
3
1大阪市立総合医療センター小児救命救急センター
2大阪市立総合医療センター小児外科
3奈良県総合医療センター小児外科
pp.593-597
発行日 2025年6月25日
Published Date 2025/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001218
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はじめに
小児の食道異物症例は,家庭内事故の一形態として発生する。成人では,魚骨異物の頻度が多く,他に義歯やPTP(press through pack)包装シート1)なども知られているが,小児の食道異物症例に関するまとまった報告は少ない。小児における異物誤飲は,一般的には軽症で経過観察が可能な症例が大半であるが,食道に滞留している場合には,緊急処置が必要となる可能性が高まる。処置が必要な小児食道異物症例に対し,緊急で内視鏡検査・処置を行うことができる施設は限られているが,鎮静や気道確保の点に注意すれば内視鏡を必要とすることなく,外来で対処可能な症例もある。

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