特集 異物の診断と治療
気道異物の臨床的検討
小野 滋
1
Shigeru Ono
1
1京都府立医科大学小児外科
pp.570-572
発行日 2025年6月25日
Published Date 2025/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001213
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はじめに
気道異物は,異物が気道内(主に咽頭~気管支)に迷入することで生じる急性呼吸障害であり,上気道の喉頭異物と下気道の気管内異物に大別される。喉頭異物は,餅,こんにゃくゼリーなどの食物によるものが多く,窒息事故として救急搬送され致死的となる。一方,気管内異物は声帯を通過した異物が気管内や気管支内に留まるためにさまざまな症状を引き起こす。異物の存在部位,大きさ,形態,種類,そして誤嚥後の時間経過によりその症状は多岐にわたり,時に非特異的であり診断に難渋することもあるが,基本的には可及的早急に外科的処置の適応となる1)。

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