特集 小児外科疾患のQOL;最近の話題
先天性胆道拡張症術後の晩期合併症とQOL
前田 拓也
1
,
内田 広夫
1
Takuya Maeda
1
,
Hiroo Uchida
1
1名古屋大学大学院医学系研究科小児外科学
pp.540-544
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001199
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はじめに
先天性胆道拡張症(congenital biliary dilatation:CBD)の合併症として,胆管炎,肝内結石,吻合部狭窄,膵炎,膵内結石,遺残胆管や肝内胆管がんが知られている1,2)。肝内結石の発症率は10%程度でその時期は術後数年~十数年後に多いとの報告がある3~5)ものの,それらの症状はすべてが有症状なわけではなく,無症状の患者もいる。また,その他の合併症の発症時期や頻度ついて言及している報告はあまりない。そのため,一般的な悪性腫瘍と比較しても,術後の患者のフォロー期間や画像撮像のタイミングなどの明確なプロトコールは存在せず,術後患者に対して適切なフォローを行うことは難しい。

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