臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
胆道系
先天性胆道拡張
pp.2206-2207
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217491
- 有料閲覧
- 文献概要
総胆管(図10),左右主肝管および肝内胆管の拡張は容易に認められる.先天性拡張ではその拡張部と正常部との移行が急であり,肝周辺部の胆管拡張は認められない(図11).閉塞性胆管拡張が肝周辺部に向かって次第に細くなっていくのとは対照的である5).ただし,閉塞性黄疸でも,初期に,稀に肝外胆管のみの軽度拡張を示すことがあり,小さい総胆管胆嚢腫との区別が必要となる.また逆に,総胆管嚢腫でありながら肝内胆管の閉塞性拡張を示すことがある.この場合,結石,癌などの閉塞原因が存在すると考えるのがよい.両者ともに先天性胆管拡張に合併する頻度は高く,また先天性胆管拡張に伴う単なる炎症性の一過性黄疸では,肝周辺部のびまん性胆管拡張は見られないからである.
先天性肝外胆管拡張でも,肝内胆管の拡張を伴わない巨大な腫瘤を形成する場合,時に診断が困難であり(図12),胆道系造影剤や胆道シンチグラフィにて確診される.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.