特集 最近の胃瘻の話題
胃瘻に関連する診療報酬
尾花 和子
1
Kazuko Obana
1
1日本赤十字社医療センター小児外科
pp.361-364
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001156
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はじめに
従来は外科的に造設された胃瘻が普及していたが,1979年に経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy:PEG)が報告されて以来,胃瘻造設が内視鏡的に行われるようになると,適応症例の検討のないまま造設数の拡大がみられるようになった。主に高齢者や認知機能低下,意識障害により経口摂取が困難・危険と判断された症例に,漫然と胃瘻を造設する風潮が社会問題に発展するなかで,2014年に胃瘻造設術に対する診療報酬の見直しがなされ,造設術の大幅減額が行われた代わりに,施設基準や造設に伴う加算の新設が提示された1,2)。近年では,全体としては胃瘻造設の件数は減少傾向にあるようだが,小児においては,経口摂取困難な先天性疾患や重症心身障碍児(者)に対する胃瘻造設は算定点数の過多にかかわらず行わざるをえない状況にあり,現場のジレンマも生じている。本稿では,胃瘻造設に関連した診療報酬の現況と,在宅管理を含めた胃瘻栄養の算定ルールについて述べる。

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