特集 臓器損傷治療の工夫
【消化管】
磁石誤飲による横行結腸穿通
加藤 大幾
1
,
小野 靖之
2
Daiki Kato
1
,
Yasuyuki Ono
2
1名古屋大学大学院医学系研究科小児外科学
2あいち小児保健医療総合センター小児外科
pp.156-159
発行日 2025年2月25日
Published Date 2025/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001093
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はじめに
異物誤飲は,6か月から6歳の小児によく起こるが,異物の多くは自然排泄され,緊急摘出や外科的治療を要する症例は多くない1)。さまざまな異物のなかでも,磁石の誤飲は深刻な問題である。特に,複数の磁石を誤飲した場合,腸管壁を隔てて磁石同士が引き寄せられ,腸管穿孔,閉塞,瘻孔化など,多くの深刻な合併症をきたすことがある2)。こうした患児のなかには,早期診断や正しい治療を受けられず,より深刻な状況に陥ることもある。

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